濃縮睡眠コラム

いびきの原因や防止するための対策とは?いびきを改善する方法やおすすめグッズを解説

    いびきはよく見られる症状であるため、自身のいびきをそれほど気にしていない方も多いのではないでしょうか。しかし、いびきは周囲の方の迷惑になるのみでなく、症状によっては自身の健康被害を引き起こす可能性もあります。

    そのため、自身のいびきの原因を知り、対策する必要があるでしょう。

    本記事では、いびきの原因や防止対策について解説します。おすすめのいびき対策グッズもあわせて紹介するため、いびきに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

    ※この記事はPRを含みます

    いびきをかく仕組みとは?

    いびきは、睡眠中に鼻や口から音が出る症状です。日本人にも広く見られる症状ですが、その具体的な仕組みはあまり知られていません。

    いびきが発生する原因は、上気道が狭くなることです。上気道とは、空気のとおり道のうち鼻から喉までのことで、気管から肺までを下気道と言います。

    睡眠中は身体がリラックスするため、舌や喉の筋肉も弛緩した状態です。

    さらに寝る姿勢によっては重力で上気道が狭くなります。上気道が狭くなると空気のとおり道を十分に確保できなくなり、その状態で必要な空気を送ろうとするため空気抵抗が大きくなります。

    空気抵抗が大きくなると上気道の粘膜が振動しはじめ、振動が大きくなり音が発生するメカニズムです。

    いびきをかきやすくなる原因とは?

    いびきは広く見られる一般的な症状ですが、いびきをかきやすい方もいます。いびきの発生を促す生活習慣や病気などがあるため、当てはまる方はいびきをかきやすいでしょう。

    ここでは、いびきをかきやすくなる原因を5つ紹介します。

    肥満体型

    1つ目の原因は、肥満体型です。肥満体型では喉の周りの脂肪も多くなるため、上気道が狭くなります。脂肪で上気道が狭まるとしても筋肉に支えられるため、起きている間は問題なく呼吸が可能です。

    しかし、睡眠中は脂肪を支える筋肉が緩み、いびきをかきやすくなるでしょう。

    飲酒や喫煙

    飲酒や喫煙は、いびきをかきやすくする習慣です。お酒に含まれるアルコールは、全身の筋肉を緩める作用を持っています。

    そのため、舌や喉の肉を支える力も飲酒によって弱まります。

    普段はいびきをかかない方でも飲酒後にいびきをかくことがあり、これは散発性いびきと呼ばれる症状です。散発性いびきは病気の恐れはありませんが、寝酒が習慣となっている方は気を付けましょう。

    一方、煙を吸い込む喫煙は鼻や喉に直接的な負担をかけ、粘膜に炎症を起こします。なお、喫煙によるいびきは喫煙者のみでなく、普段から受動喫煙している非喫煙者でも発生しやすくなるとされています。

    口呼吸

    口呼吸もいびきの発生を促す原因です。仰向けの状態で口呼吸すると舌が喉側に下がりやすくなり、上気道が狭まることでいびきの原因となります。

    また、口呼吸では一度の呼吸で肺に送られる空気が鼻呼吸よりも大きくなり、上気道の粘膜の空気抵抗が大きくなるでしょう。人間本来の呼吸方法は鼻呼吸ですが、風邪や花粉症などの症状で鼻詰まりを起こすと鼻呼吸が難しくなり、口呼吸をしやすくなります。

    他にも、歯列や骨格の問題や、口周りの筋力の低下などが口呼吸の原因となります。近年はマスクを着用する方が増え、顔の筋肉を動かすことが少なくなりました。

    そのため、口呼吸に悩む人も増えています。口呼吸にはその他にもさまざまな身体への悪影響があると考えられています。

    ホルモンバランスの変化

    女性特有の原因として、ホルモンバランスの変化があります。いびきの症状は、一般的に女性よりも男性に多いとされています。

    いびきが女性に少ない理由は、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが上気道を広げる作用を持っているからです。

    しかし、女性ホルモンの分泌は更年期から少なくなる傾向があります。そのため、40~50代になって急にいびきをかき始める女性は多いです。加えて、女性は男性よりも喉が細いことが多く、いびをかきやすくなってしまうでしょう。

    睡眠時無呼吸症候群などの病気

    病気によりいびきが発生する可能性もあります。いびきの原因となる主な病気は、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群とは、名前のとおり寝ているときに呼吸が止まる病気です。

    睡眠時無呼吸症候群の原因はいくつかありますが、中でも上気道の閉塞は多く見られます。睡眠中は上気道が狭くなりやすいため、睡眠時無呼吸症候群が発生しやすいのです。

    上気道の閉塞による睡眠時無呼吸症候群は、常に大きないびきをかくことを特徴としています。発症すると睡眠が浅く細切れになるため日中の活動に支障をきたし、さらに慢性化するとさまざまな生活習慣病の原因にもなるため非常に危険です。

    自身のいびきで目が覚めたり、十分寝ているはずが疲れが取れず日中も眠かったりなどの症状があれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるでしょう。

    いびきが健康面におよぼす問題点

    いびきは自身ではわからないことが多く、さらに一般的な症状であるため気にしない方も多いです。しかし、いびきを放置すると身体に負担をかけるため、なるべく改善した方がよいでしょう。

    ここでは、いびきが健康面におよぼす問題点を3つ紹介します。

    睡眠の質が低下する

    いびきをかいているとぐっすり眠っていると勘違いされますが、いびきをかくような睡眠は質が悪いことがわかっています。いびきは上気道が狭くなることで引き起こされます。

    上気道が狭くなった状態では、スムーズに呼吸ができません。空気をうまく取り込めない状態でなんとか息をしようとするため空気抵抗が大きくなり、結果的にいびきが発生します。

    そのため、いびきは「睡眠時呼吸障害」とも呼ばれています。スムーズな呼吸が困難な状態では、体内に取り込む空気量が少なくなって血中の酸素濃度も低下するため、睡眠の質が悪くなるでしょう。

    睡眠の質が低下すると、十分な睡眠時間が取れていても睡眠不足となり、身体に負担をかけます。慢性的な睡眠不足はさまざまな生活習慣病の原因にもなるため、対策が必要です。

    集中力や判断力が低下する

    いびきによって睡眠の質が下がった結果として、日中の活動にも支障をきたすことがあります。代表的な症状は、集中力や判断力の低下です。

    睡眠が不足すると脳の疲れが取れず、パフォーマンスが低くなります。仕事の集中力が続かなくなった方やミスが多くなった方は、知らず知らずのうちに睡眠が不足しているのかもしれません。

    また、睡眠不足が続くととっさの判断も難しくなり、車を運転すると思わぬ事故を起こす可能性もあります。睡眠不足による居眠り運転の例もあるため、睡眠不足を放置すると非常に危険です。

    睡眠時間は取れているものの疲れや眠気が取れない方は、いびきによって睡眠不足に陥っている可能性があるでしょう。

    風邪にかかりやすくなる

    3つ目の問題点は、風邪にかかりやすくなることです。いびきは口呼吸が原因で発生します。口呼吸は、風邪にかかるリスクが高いといえます。

    鼻呼吸は、鼻の粘膜が空気中のウイルスを捉える効果や、鼻腔の中を通ることで空気が加湿、加温される効果があります。

    一方、口呼吸は空気が直接的に喉にかかる呼吸方法です。そのため、雑菌やウイルスを含んだ乾燥した空気が喉を直撃します。喉が乾燥しウイルスが繁殖すると、風邪やインフルエンザなどになる可能性が高くなるでしょう。

    実際に、口呼吸を自覚している方は風邪にかかる方が多いとされています。

    また、普段は鼻呼吸をしている方でも、睡眠中はコントロールができません。そのため、無自覚に口呼吸になっている可能性もあります。

    起床時の口や喉の乾燥が気になる方は、睡眠中に口呼吸になっている可能性があるでしょう。

    いびき防止のためにできる対策

    いびきは健康に悪影響があるため、できれば対策をした方がよいでしょう。いびきの治療は専門の医師にかかる方が確実ですが、軽いいびきは生活や睡眠の方法を見直すことで改善できる可能性があります。

    いびきを防止するためにできる対策を4つ紹介します。

    生活習慣を改善する

    1つ目にできる対策は、生活習慣の改善です。いびきを引き起こす生活習慣は、主に飲酒と喫煙が挙げられます。飲酒は筋肉の弛緩によって、喫煙は喉の炎症によっていびきが発生しやすくなります。

    さらに、アルコールは利尿作用が、タバコは覚醒作用があるものです。そのため、いびきによる睡眠の質の低下がさらに悪化する可能性もあります。

    また、過剰な飲酒は高血圧をはじめとするさまざまな生活習慣病の原因となります。アルコール依存症が生活に支障をきたすこともあり危険です。

    適度な飲酒であれば問題ないことが多いですが、いびきが気になる方で飲酒の習慣がある方は、禁酒して経過を見ましょう。

    喫煙も同様に、肺がんや心疾患などのさまざまな病気を引き起こす可能性がある習慣です。喫煙による健康被害は周りの方にも及びます。受動喫煙でもいびきの原因となることがあるのです。喫煙者でいびきを改善したい方は、禁煙もおすすめです。

    肥満を解消する

    肥満体型の方は、肥満がいびきの原因である可能性が高いです。肥満はいびきのみでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こします。

    肥満はすぐに改善できるものではありませんが、いびきの改善と長期的な健康のために、できるだけ改善を心がけてみてください。自身が肥満かどうかの判断は、肥満度の指標であるBMIの値で確認しましょう。

    BMIの計算式は、「体重(kg)÷(身長(m)の2乗)」です。(参照元:BMI(e-ヘルスネット))

    肥満の基準となる数値は「25」で、これより高くなると肥満の可能性が高いと判断できます。一方、「18.5」以下で低体重となります。(参照元:BMI(e-ヘルスネット))

    ただし、筋肉量や骨密度などが人によって異なるため、BMIが必ずしも正確な値になるとは限りません。大まかに判断するために使いましょう。

    肥満を改善するためには、食生活の改善と運動習慣の獲得が重要です。自身のみではなかなか管理できないこともあるため、医師やジムのトレーナーに相談してダイエットすると、より高い効果が期待できます。

    横向きで寝る

    寝る姿勢を変えてみることも、いびきの防止に効果的です。いびきをかきやすくなる姿勢は、仰向けです。

    仰向けの状態は脱力した舌が重力によって喉側に下がりやすく、気道を圧迫します。いつも仰向けで寝ている方は横向きで寝ることで空気のとおり道を確保でき、いびきが改善する可能性は高いです。

    ただし、仰向けに慣れている方は横向きで寝ることが難しいのかもしれません。また、睡眠中に寝返りをうって仰向けになることもあります。

    その場合は、抱き枕を使うことがおすすめです。抱き枕に片足を乗せると横向きの姿勢を支え、楽に寝られます。

    毛布を丸めて抱き枕の代用にしてもよいでしょう。壁に背をつけたり毛布やクッションなどで段差を作ったりすれば、さらに横向きを維持しやすくなります。

    一方、仰向けに対して横向きは姿勢が歪みやすく、理想的な寝る姿勢ではないという意見もあるようです。横向きで寝る場合も、仰向けのときのように背筋を丸めずに伸ばすことが重要です。

    自身に合った枕を使う

    自身が使っている枕を見直すことも重要です。枕の高さや硬さ、大きさが自身に合っていない場合、寝るときに首が曲がります。

    首が曲がることで上気道が狭くなり、いびきの原因となる可能性があります。一般的には高すぎる枕を使うことで首が曲がりやすくなりますが、低すぎる枕にも注意が必要です。上気道を真っ直ぐに確保できるような枕を選ぶことで、いびきを防止できます。

    また、首が浮かないように、枕の正しい使い方にも気を付けましょう。枕はさまざまな種類が販売されており、枕の相性には個人差があります。

    枕の専門店では身体の計測を行って最適な枕を提案するところもあるため、確実に改善したい方は専門店への相談もおすすめです。

    いびきを簡単に防止できるおすすめの対策グッズ

    自身で生活習慣や寝る姿勢を改善する他に、市販されている対策グッズを使っていびきを防止する方法もあります。上述の対策は人によって難しい場合があるのに対し、対策グッズは誰でも簡単に試せるためおすすめです。

    ここでは、いびきを簡単に防止できるおすすめの対策グッズを3つ紹介します。

    マウスピース

    1つ目に紹介する対策グッズは、マウスピースです。いびき対策マウスピースは、歯に装着して固定し、睡眠中に口が開いて口呼吸になることを防ぎます。

    装着すると下顎を前方に押し出す効果もあり、上気道を広く確保できます。ドラッグストアで市販されているいびき対策マウスピースは、手軽に入手可能で、価格も比較的安いことが多いです。

    ただし、市販のものは自身の歯並びや骨格にあわせて調整できません。一方、医療用マウスピースはできるまで時間がかかり、価格も高くなりやすいです。

    しかし、形やサイズの微調整が可能で、より高い効果が期待できます。市販のマウスピースで効果がなかった方は、医療用も試してみましょう。

    また、歯ではなく舌用のマウスピースもあります。こちらは歯に装着するタイプよりも簡単に使用できますが、慣れないうちは違和感が強い場合もあるでしょう。

    鼻呼吸テープ

    テープで鼻呼吸を補助するグッズもあります。マウスピースと比べて、テープは使い方が簡単でわかりやすく便利です。

    テープタイプのグッズは、大きく分けて鼻腔拡張テープと口閉じテープの2種類があります。鼻腔拡張テープはバネの反発力を利用しており、鼻の上に貼ることで鼻腔を広げ、鼻いびきを改善できます。

    また、風邪やアレルギーによる鼻詰まりで口呼吸になっている場合も、鼻腔拡張テープが効果的です。

    一方で口閉じテープは、唇の上から縦に貼るタイプの対策グッズです。口閉じテープは、より直接的に口呼吸を防止できます。睡眠中の口呼吸がなかなか改善できない方におすすめです。

    テープタイプのグッズは基本的に使い捨てで、手入れの手間もありません。入手も容易であるため、すぐに使用できます。

    いびき対策マスク

    いびき対策マスクは、衛生用品のマスクと同じタイプのものと、サポーターのように顎を支えるタイプがあります。鼻から喉まで覆うタイプのマスクは、通常の衛生用品としてのマスクと基本的な構造は同じです。

    睡眠中に着用すると鼻呼吸を促進し、いびきの改善に効果があります。また、外気を直接取り入れないため喉が乾燥しにくく、不快感を軽減できます。

    さらに、鼻腔内の湿度が上がることで、鼻詰まりの改善にも効果的です。根本的な解決にはなりませんが、発生したいびきを消音する効果もあります。

    一方、サポータータイプは頭や首などに巻いて装着し、顎を固定するためのグッズです。顎を固定して口呼吸を防ぐため、いびきの改善に効果があります。

    また、顎が安定するため呼吸が楽になるでしょう。マスクタイプは手入れの手間がかかりますが、しっかりといびき対策をしたい方におすすめです。

    注意が必要ないびきや治療方法は?

    軽いいびきであれば自身で対策ができますが、症状が重くなると健康被害も大きくなります。そのため、いびきの症状によっては医師に相談し治療を受ける必要があるでしょう。

    ここでは、どのようないびきに注意が必要なのか、どのような治療をするのかについて解説します。

    注意が必要ないびきの特徴

    いびきの危険性を確かめるためには、散発性いびきか習慣性いびきなのかを確認してみてください。普段はいびきをかかない方でも、疲労が溜まっているときや飲酒後などにいびきをかく場合があります。

    これが散発性いびきです。散発性いびきであれば、病気の心配はありません。日ごろから常にいびきをかいている方でも、軽いいびきであれば問題ない場合が多いです。

    ただし、以前はいびきをかかなかった方が突然習慣的にいびきをかくようになった場合、何らかの炎症や病気が原因となっている可能性もあります。

    急にいびきをかくようになった方は、クリニックを受診しましょう。いびきのペースが速い場合や、いびきの音が大きい場合にも注意が必要です。

    これらの症状が見られるのであれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。睡眠時無呼吸症候群は日中の活動にも支障をきたす他、生活習慣病も引き起こす可能性もあります。

    睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方は、早めに受診してみてください。しかし、自身がどのようないびきをかいているかに気が付くのは難しいでしょう。

    その場合は家族や同居人の協力が必要になります。一人で寝ている方は、寝ても疲れが取れない、日中の集中力が落ちたなどの自覚症状があれば受診を検討しましょう。

    また、最近では睡眠中のいびきを録音する機能を持つアプリも多数存在します。こうしたアプリを活用すれば、一人で寝ている場合でもいびきの有無や程度を把握することができます。

    気になる症状がある方は、アプリの使用も検討してみましょう。

    医療機関で医師による治療が可能

    いびきの治療は基本的に耳鼻咽喉科でおこなわれます。治療法には複数種類がありますが、それぞれ原因や症状の程度によって適した治療法が異なります。

    そのため、まずは検査が必要です。検査の結果、甲状腺疾患やアレルギー性鼻炎、逆流性食道炎などの病気がいびきの原因だと判明した場合は、薬物療法を受けます。

    アデノイドや扁桃の肥大によっていびきが発生している方は、外科手術によって患部を切除します。アデノイド増殖症や扁桃肥大は成長に伴って小さくなるため、子どものいびきに多く見られる症状です。

    睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、CPAP療法やマウスピースによる治療がおこなわれます。CPAP療法は上気道に直接空気を送って無呼吸を防ぐ方法です。

    大きな医療器具が必要になりますが、クリニックから貸し出されるため自宅での治療もできます。マウスピースによる治療は基本的に上述の市販品と同じですが、細かくサイズや形状の調整ができるため効果的です。

    まとめ

    今回は、いびきの原因や防止対策、そしておすすめのいびき対策グッズについて解説してきました。いびきは飲酒や喫煙、肥満などによって上気道が狭められ、粘膜が振動して音が発生する症状です。

    症状が酷ければ睡眠不足や生活習慣病の原因となるため、早急な改善が必要でしょう。生活習慣で改善されなければ、市販されているいびき対策グッズもおすすめです。

    自身のいびきが気になっている方は、本記事をぜひ参考に対策を始めてみてください。